2019年6月6日木曜日

〈制作秘話第十四回〉1-2-5

ドーガスの乙女っぷりが垣間見られる冒頭から、グレイはグロッキー。
ミルちゃんは暗いのとおばけが怖いみたいです。
「隙間水、早く捨てる!」
はクスリフレーズなんじゃないかな、と思います。

やっと仮眠をとろうとしたグレイ、そこに聞こえてくるおぼろげな女の声。
あまりにするする、スムーズに事態が運ぶので会話も自然に発生します。上手に書けている気がする。
どきどきの一瞬は、たった一瞬で済ませるのがおしゃれなのです、ふんす。

タコね、タコ。
悪魔の魚と言われ忌み嫌われるゆえんは、ユダヤ教の戒律(旧約聖書の記述)にあります。
旧約聖書では、魚類はヒレとウロコを持つものだけしか食べてはならないとされており、タコ、イカ、カニ、エビ、ウナギ、エイ、貝類、イルカや鯨などは食べません。
これって某動物愛護団体の主張ともろかぶりですよね。
我々が愛玩している犬・猫を中国あたりでは食するのをみて「野蛮!ひどい!」と言っているのと同等です。私は、家畜として育てられたかわいそうな運命の動物ならば、おいしくいただいて供養する派です。家族として受け入れた動物は、いかに畜生といえどよしよし、めんこめんこします。環境が悪かったんや……。

さて、旧約聖書(『レビ記』第11章)からの引用です。

第11章9節
水の中にいるすべてのもののうちで、次のものをあなたがたは食べてもよい。すなわち、海でも川でも、水の中にいるもので、ヒレとウロコを持つものはすべて、食べてもよい。

第11章10節
しかし、海でも川でも、すべて水に群生するもの、またすべて水の中にいる生き物のうち、ヒレやウロコのないものはすべて、あなたがたには忌むべきものである。

第11章11節
これらは、さらにあなたがたには忌むべきものとなるから、それらの肉を少しでも食べてはならない。またそれらの死体を忌むべきものとしなければならない。

第11章12節
水の中にいるもので、ヒレやウロコのないものはすべて、あなたがたには忌むべきものである。

ヒトデもナマコも、ウニもアウト!
でも、ユダヤ教を始祖にするキリスト教、そのキリスト教徒の多い北欧あたりでは、普通に魚介類は貴重な食資源なのでタコの刺身とか食べますよ。プロテスタントだからというのもあるのかも。じゃ、クリスチャンだったスウェーデンのクリスティーナ女王はタコを食べなかったのかしらね。

いや、そういう経緯があってタコが巨大化してヴィランとして現れたわけじゃないんですけど、こういうのはふまえておくべきです。タコってやべーやつですよ。わりと雑食だし。
でも、この場で一番のやべーやつは、ドーガスだったようです。
銛を手にニコニコ「釣りが失敗して大きいの釣れちゃった(はあと」みたいな余裕もさることながら、包丁を研ぐところからスタート。必殺料理人です。

この、緊迫しているんだか、そうでないんだかというバトルは「(黒井ここあ)らしい」と言われたことがあります。肩透かしってことかしら。まだ「自分らしさ」がわかっていないので、とりあえず読んでみてください。おっけーい。

ところでみなさんは、生きているタコを捌いたことはありますか。
あれな、切れねんだ! 包丁がなまくらだと!
筋繊維が、ぎゅってひきしまるのもありますけれど。
って解説してるところで、ミルちゃんがウミネコよろしく冷やかしに行ってしまいました。
タコって好奇心が旺盛で、だからこそ壺に入り込みやすいわけなんですけど、ちっちゃな生き物がいたら「なんぞ、なんぞ」となるのはあたりまえですわな。

どさくさに紛れて、「祈りの像」の箱がはかいされてしまうと、なんと中からはヒョウが二頭飛び出すわけです。三つ巴の緊張感を楽しんでもらえたら嬉しいです。
というところで、タコバトルが落ち着いたのに、新しい謎がまた浮上しました。
1-2-5、おわり。

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