2019年6月3日月曜日

〈制作秘話第十回〉1-2-1

連載も第十回です。
ネタがあると続けられるものです。

さて、1-2に突入しました。
グレイが見た夢は、13歳のときの王位継承の儀です。
それは記憶どおりでもあり、少し違うものでもありました。
こういう、わかりやすい仕掛けについてはあまり触れないでおきますね。
グレイのテーマ。
一部和声的に誤ってます。いつかなおします……。
グレイのモチーフはピアノ。ワーグナーがやってるあれです。楽器ごとにロールがきまってるやつです。
ミルちゃんはギターで、ミラーはクラリネット、ラインは琴とエレキだったりします。
リシュナはチェロで、アレクはヴィオラ、フィナはヴァイオリン。
ルヴァはもちろんオーラ――ハーモニカですよ。ふふっ。

髭剃りには触れねばなるめえ。
顔そりは元来執事の仕事ですもの。ドラマ『ダウントン・アビー』ファーストシーズンでマシューが髭剃りを断るシーンは印象的でした。
首元に刃物をあてがうのは、刺客にとって好機以外のなにものでもありません。だから、ラインがちゃちゃっとやってくれてたんじゃないかな。でも、ライン自身は髭で困ったことはなさそうです。
そういうことで、グレイには身だしなみを自分で整えるという小さなミッションがまた一つ増えたのです。

ゲルステンブロートとハム、チーズの朝ごはんはとってもプロイセン風です。暖めたばかりのパンは、白パンよりも香ばしい香りをたっぷりとあたりにひけらかします。
現代のように油脂がたっぷりの、ではなくて、もっさりもさもさ、噛めばプチプチいう、ドイツパン。噛むうちに唾液へ溶け込む穀物の旨味は、少し酸味があって、日本人にはあまり好まれない様子。近年はヘルシーさに注目されて、茶色いパンやドイツパン専門店なども歓迎されるようになりました。チーズと合わせると、絶品なのです。

聖都ピュハルタを火薬庫と揶揄するミルちゃん。
二巻を思うと、本当にそうですね。迂闊に立ち寄れないわ。
さらっとスヴェリン金貨の話もしてます。
これはグレイが13歳の時の横顔で作られています。
ああ、それにしても。やっぱりミルちゃんは、ちょうちょのように自由でつやっぽい。
そんな美少女に頼られちゃったら、喜んでついて行っちゃうわね。
1-2-1、おわり。

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