2020年5月17日日曜日

エアコミティア、お疲れ様でした

ごきげんいかがですか、ここあです。
5/17の今日は、エアコミティアでした。
方々、大盛況のようで、羨ましいなあと指をくわえながら私がやったのは、オンラインファンミーティングでした。

「アイドル気取りかよ」と、お叱りを受けるのは重々承知で、実施してみました。
実際、リアルイベントの最中も、お話をしに来て下さる方が多々いらっしゃるのですが、私も私で違うスペースの作家さんにご挨拶にいったりなんだり鼻かんだりして、会いに行った作家さんとすれ違ったりとか、往々にしてあるものですから。
いっそ「話せる時間の確保」というのをやってみた次第です。

マイクで一人だらだらと話すのは、なんだか気が引けましたが、がんばりました。

それこそ、気取って話すのも性に合わないですし、気の利いた事を言えるわけでもないです。
真面目って、美点や美徳とされますが、反面つまんないんですよね。
遊びもなければ、ゆとりもない。
そう、私って、つまんない人間なんです。
だから、世界のいろんなことが面白くみえて、興味深くて、調べるのに没頭してしまうんです。
そんなつまらない私なので、主張することもさほどなく。
自宅でも黙って思索に耽るほうが好きです。

で、実際はですね。
単純に、今は何やってます、これはどうしたらいいんだろう、みたいな所感をつぶやくようなトークをしたような……もう記憶がありません。
間違うたびに変な声を出してたような気がします。

そんな、とりとめのない話がついてまわる6時間半にもおよぶピクシブスケッチに、4,5名が常駐していただいて、とっても嬉しかったです。

それにしても、エアイベントでは、自分の本の厚み、深み、重たさなど、素晴らしいところを実感してもらえないので、なかなか手に取ってもらえません。

施されるのに甘えるばかりで、日頃の行いが悪いからだろうなあ、と反省しつつ、お返しの仕方もわからず。

リアルでもそうなんですよね。
善意をいただくときに「あら、いいんですか、おねがいします!」ってさくっとお願いしてしまうことが多くて。
厚かましくて、つまらなくて、私ってほんとしょうもないですね。

こんなしょうもない人間ですが、誰かにわくわくをお届けできるのなら、身を粉にしてそれを作りたいなと思います。

まずは、黒獅子物語5巻を出したいです。
待っていて下さるあなたのために、それから、自分のために。

2020年5月7日木曜日

ままになること、ならないこと

こんにちは、ここあです。

新型コロナウイルスの最前線で戦う皆様に感謝と敬意を払い、粛々と引きこもっています。
おかげさまで、そういう意味では元気です。

でも、気持ちの持って行き方については別で。
三つの密で出来ているイベントが軒並み中止になったことで、〆切ロスに見舞われています。
ままならぬ状況に、当初はギリギリスケジュール、「やった、〆切伸びたじゃん!」と余裕の表情を見せていたわけですが、発表する場やめどが立たなくなった結果、これまで推し進めてきた「現場主義」みたいなものにかえって負けてしまったのです。

私が書いている本は、分厚くて、物語の重さを手のひらに感じられて、風格があって、風味も豊かで噛み応えのある、「本好きが本屋さんで探しているけど見つけられない本」なので、物理媒体であるところの「本」でないと、魅力が最大限に発揮できないわけです。

Webでの一部無料公開も考えましたが、上記の「本」ならではの魅力を損なう戦略になるため、やめました。

「本を手に取る」という体験、あなたの人生における出会い、ドラマ、そういう中に私の本を迎え入れてもらいたいものですから。

現代は物流の世、新刊が出た折には、どうか通販でお迎えくださいね。

いやや、その前に本を書く、書き進める気持ちの話なんですけど。

わたしの大好きなコンテンツ――サッカー、舞台芸術、あらゆる人間の表現はナマのもので、それすなわちウイルス媒介の可能性も高いものです。

前途ある選手、俳優、引退した先生、海の向こうの仲間たち。

今ごろ、エンターテイナーたちは何をしているのかしら。

そうやってふと、考えてみると、コロナ収束後の世界のことを見据えてもいいのかな、とも思えてきました。

選手や俳優は身体を整え、先生は久しぶりに自分の練習をし、プレイヤーたちはなんとなく楽器を触ってみたり、今じゃなくて、先をみているのかもしれません。

今まさに、閉塞感にやられていた自分が間抜けに思えてきます。

実際に手渡しすることはかなわなくても、その手に物語をお届けできるのが、作家のすごいところです。

このすごいところは、ままになるんだから、やってやろうかしら。

と、いうところで、進捗とかわくわくの種を箇条書きにして、今日は終わりたいと思います。

【今、手をつけてること】

・黒獅子物語5巻(5-1-6、149pまで。これで第一章まだ終わってないのよ。残り28話書く、500p越えると思います。ので、2500円とっといてください。6月のイベントまでには出したい)

・みっつのものがたり(どこにも未発表の、こどもライン視点のオムニバス。自家製本文庫、完全自分用。要ります?)

・黒獅子物語キャラデザ本2(第二部準拠のデザインをフルカラーで。色んなお洋服をデザイン中。5巻とセット販売できるか、できなそう。希望売価1000円)

・MADO-KA(まんまるイラストだけをあつめた正方形のイラスト集。ほとんど自分用。希望売価1000円)

・ちょこ報DX(既刊カタログ。あらすじ紹介+本文試し読み、8pペラ本、自家製本、欲しい人にあげる用。PDFブックにして無料配布しようかな。)

・クリア名刺(いつものやつ。今度は横)

こう書いてみると進んでるようですが、その実まったく進んでいないので、たまに様子を見て尻を叩いてもらえると嬉しいです。

2020年3月5日木曜日

『〈黒獅子物語5〉呪われし薔薇の花嫁』あらすじ草案

ここあです。


新型コロナウイルスに出会わないくらい引きこもっているので、元気です。
御安心を。
引きこもって、五巻を書いてます。


冒頭から、えらい盛り上がりを見せていて
書いている本人も大興奮、下読みも満足の、
いい感じな内容が続いています。

進行状況はビハインドです。


そこのところ、粘り強くちまちまと応援していただけたら、

けろりとやる気出してエンジン吹かすと思うので、
Twitterで浮上しているところに遭遇したときには
『五巻よみたいです』
と話しかけてもらえたらめっちゃ喜んで無理します。
最新刊といわず、読んだところまででも

『キャラすこ』

『このシーンすこ』
とコメントもらえると、もっとがんばれます。
人助けとおもって、ぜひよろしくお願いします。

草案なので、実物と異なる場合があります。
以下、待ち望んでいる読者さんに還元します。

ーー五巻 あらすじーー


旅の末、ついに黒獅子グレイを見つけだしたヴァルトたち。
しかし主人の不在に際し、貴公子レオポルトにテュミルが浚われてしまった。
リディとアレク、二人の黒獅子は早速救出作戦に乗り出す。
一方、イデアン城に滞在中の騎士ミラーは姉と再会。喜びも束の間、騎士蘭英のせいで事態は思わぬ方向へと転び、ついにミラーは離叛を決心する。
王城の魔術師ラミナスが偽姫に闇の歴史を語るとき、フィナ姫の肉体も綻びはじめ、兄妹の絆が試されるとき、神殿は神子姫を迎える。
昼の国リュオス、終わらない魔法の夏至に、龍の娘が涙する理由とは。
愛する人を守るべく、黒獅子は再び戦旗を掲げる!
明かされる薔薇の魔法、千年の呪縛にあらがう第五巻。

2019年12月13日金曜日

『薔薇の王子、幸運の翼』第三話更新

第三話『〈盾仲間〉』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892677862/episodes/1177354054892678589

王子と騎士の海洋冒険ファンタジィ長編
『薔薇の王子、幸運の翼』
第三話『〈盾仲間〉』
12月13日(金)23時に公開しました。
4000文字。
カクヨムコン5 参加中。
どうか★で応援してくださいませ。

第二話は楽しんでいただけましたか?
グレイズ王子の少しふわふわした頼りなさと、ロマンティックな内面が垣間見えたお話だったかな、と思います。

今回は従騎士セルゲイのお話。
神秘の力を持つ神子――約束されたオールドミス・ミゼリア=ミュデリア姫が彼を聖都ピュハルタへ呼んだ理由とは。
どうぞ楽しんでくださいね。

総話数が少ないので短編のようにみえますが、実は全体で110000文字を超える長編です。

毎週火・金に更新しています。
お気に入りに入れて、二月末の完結まで一緒に駆け抜けてください、お願いします。

そして、もしも気に入ってくださったら、高評価やレビューをお願いいたします。
とにかく、たくさんの人に読んでもらいたいです。
コメントもいただけたら……わがままは言ってはいけませんね。
次回更新は12月17日火曜日21時。

刀礼を終え、晴れて騎士同期――〈盾仲間〉になったグレイズとセルゲイ。
〈水の祭壇〉で引き続き行われるのは、王子と姫君の結婚式。

第四話『最高で最低の一日』

ご期待ください。

2019年12月11日水曜日

『薔薇の王子、幸運の翼』第二話投稿しました。

王子と騎士の海洋冒険ファンタジィ長編
『薔薇の王子、幸運の翼』
第二話『ふたりぼっちの恋人たち』
12月10日(金)21時に公開しました。
7200文字。
カクヨムコン5 参加中。
どうか★や♥で応援してくださいませ。
コメントも、励みになります。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892677862

第一話は楽しんでいただけましたか?
のっけから11000文字あったので、しっかりとした読後感があったのかな、と思います。

前回はあらゆる方面に若さみなぎる従騎士セルゲイのおはなしでした。
今回は視点が変わり、気弱な王子グレイズの心と足跡を追います。
加筆していたら7200文字に増えました。
どうぞ楽しんでくださいね。

総話数が少ないので短編のようにみえますが、実は全体で110000文字を超える長編です。

お気に入りに入れて、二月末の完結まで一緒に駆け抜けてください、お願いします。

もしも気に入ってくださったら、高評価やレビューをお願いいたします。

とにかく、たくさんの人に読んでもらいたいです。
次回更新は12月13日金曜日23時。

いよいよセルゲイを叙任する刀礼のときがおとずれます。

第三話『〈盾仲間〉』

ご期待ください。

2019年12月6日金曜日

新連載、開始!

Heippa,ここあです。
MoiもHeiもMoikkaもHeippaもフィンランド語で「やあ」。
「やあやあ」言いたいときには、「Heippa,Hei」もOKです。

12月6日金曜日23時から、
Web小説サイト「カクヨム」にて、新連載が始まります!

タイトルは『薔薇の王子、幸運の翼』。


勇者に憧れる小心者、慈悲の名を持つ王子グラスタンと、
友だち思いでフェミニストながら、暗い過去を持つ騎士セルゲイ。
二人は逃奔の姫君を追ううちに、龍の秘宝、海賊の頭目争いに巻き込まれて――。
龍の秘宝と伝説、精霊と海賊が闊歩するペローラ諸島を舞台に、心躍る海洋冒険ロマン。

どうでしょうか。

気になっていただけましたか?

この作品で黒井ここあとはじめましてをする方、
超長編大河ファンタジー『黒獅子物語』をご存じの方も、
そうでない方にも楽しんで頂ける作品となっております。

憧ればかりが先行する華奢な王子グレイズと、
心の篤さゆえに辛酸をなめた過去ある騎士セルゲイの二人との
冒険を通じて、彼らの成長を見届けることができるはず。
少年目線の男性向け作品です。

たおやかなれども芯の強い姫君、上品この上ない暗器使いの侍女、
若さを弾けさせた愛嬌たっぷりの女海賊など、魅力的な女性もさることながら、

ある理由から騎士を辞した親友、龍に追われる魔術師、
好奇心だけで生きる遍歴学生、貪欲で凶暴な海賊など、

癖の強い登場人物が二人の冒険を彩ります。

同作品は第5回カクヨムWeb小説コンテストに、応募をします。
こちらでは読者選考という、私がもっとも不得手とする第一審査があります。
2月7日まで、読者による★(応援レビュー)や応援コメントやお気に入りがカウントされるもよう。

初めての挑戦です。
皆さんのお力添えがなくては、
二次選考の土俵にすら立たせてもらえないのは確かです。

毎週、火(21時)金(23時)の連載を、
どうか一緒に駆け抜けてくださいませね。

読んでもらえれば、気に入って頂ける。
この自信を持つべく、綿密な基礎研究を経て、執筆をしております。

しかし、読んでもらえなければ、この世に存在しないも同義。
ですので、少しでもたくさんの方の目に触れられるようにしたいのです。

どうか、皆さんのお力を貸して下さい。
そして、2月末の完結まで、応援していただけたら嬉しいです。

そのために、まずはカクヨム(会員登録無料)にアカウントを作成して頂き、
『薔薇の王子、幸運の翼』が面白いな、と思ってくださったなら、
★や応援レビューをお願いします。
もちろん、お気に入り(ブックマーク)も!

2019年11月21日木曜日

COMITIA130おしながき、とか

ここあです。

ブログで一発ポンとおしながきが見られたらユーザさんは楽だろうなあ、と思って、まとめてみます。

今回のおしながき

リリィちゃんがかわいい。
メイドアンソロもなにげに東京初頒布なので迷わずゲットしていただきたい。

新刊サンプル

ヴァルトとは。
絶対に後ろを見てはいけませんよ。
頭から順繰りに読まないと本当に面白くないです。

ポスター・サークルカットはこれ


当日はダブらずにお持ち帰り頂けたら嬉しいです。
よろしくおねがいします。

2019年7月1日月曜日

〈制作秘話第二十二回〉1-3-5前半

〈ケルズの書〉はご存じでしょうか?
簡単に言えば、キリスト教の儀式用の聖書です。
八~九世紀に作成された装飾写本の傑作で、アイルランドの国宝とされています。
本体が収蔵されているアイルランド・ダブリン大学トリニティ・カレッジ図書館(”The Library of Trinity College Dublin”)の公式サイトでデジタル版が公開されていますので、興味があればご覧ください。
近年では〈ケルズの書〉の世界を冒険するアニメーション映画『ブレンダンとケルズの秘密』が公開されています。
岩波書店からはレプリカも出ています。写本好きな方にはおすすめです。私も持っています。

で、1-3-5なんですけど。
〈叡智の書〉は、〈ケルズの書〉や鎖でぐるぐる巻きにされての閲覧制御、持ち出し禁止の禁書などに系譜を持たせてあります。だからヴェラムでできているのです。
それにしても、306pみたいにきちんと世界を描写してある部分については言うことがないなぁ。

ユッシとグレイが初対面。
「三羽のカラスだっけか」
「そんな歌もあったな」
のやりとりの『三羽のカラスThree Ravens』はこちらがモチーフです。イギリスの古い歌で、こちらの版は1611年初版。

"There were three Ravens sat on a tree,  Downe a downe, hey downe, hey downe.
They were as blacke as blacke could be-with a downe
Then one of them said to his mate, 
Where shall we our breakefast take? with a downe derrie, derry, derry, downe, downe

セシル・コルベルが同詩からヒントを得て作った同名の曲のほうが、親しみやすいかもしれませんね。
それがヒントになって、〈三つの薔薇〉という鍵をみつけられるわけです。
「えどとそとでる」
という泣き虫の本の精霊が登場したところで、前半おわり。

2019年6月30日日曜日

〈制作秘話第二十一回〉1-3-4

双子が飛び起きて、1-3-4。
ドーガスの教え子については自明なので特筆しません。
ピーリャとユッシの登場です。

トゥルクの宿の一人娘で、ちょっとフィンランド語を話せる私に喜んで、どんどこどんどこ、あのね、それがね、と話しかけてくれた小さなプリンセスから名前を拝借しました。でも一年そこらしか勉強してなくってさ、そんなに喋れなくてごめんよ。

ドーガス、ユッシにおっさんと言われてむっとしてるけど、どうどう。子供からしたら、30過ぎなんておじさんおばさんよ。よその子の親の年齢だもの。
学生時代、出産を見舞った幼馴染の長男が小学三年生になっていて震えますが、それはそれ。それはそれだよぉ……。

場面は転じて295p、薄着のミルちゃんが寒そうの巻。
さらっとマントをかけるのを、さらっと書きおく。
「別に」の応酬はこの二人ならではになりました。
実際問題、夏だなぁとTシャツジーンズで古城の地下とかに潜ってみると、嘘みたいに寒いんですよね。外は外で、突然通り雨があったりするしで、マントや厚手のショール、パーカーは重宝しました。でも現地の人を見ると、日に焼けた肌を露出したままで、平気そうなんです。なんだろう、おかしいな、と思った瞬間には理解しましたね。体形が違うって。人種が違うのもありますが、やっぱりアングロサクソン系って線が太いんですね。骨の太さから異なるのがわかります。私がアジア人の85%縮小なのを差し引いても。

図書館の地下には、疑似神殿がありました。
水を地から天へと流す――超自然的な現象が魔法そのものですよね。
ルヴァが14才らしく小生意気な「わかってる感」を出すのがなんとも言えねえ。察しがいいといえばそうですし、早合点といえばまさにそう。
「ハイハイわかったわかった!」って、子どもっぽさだと思うんですよね。大概において本人はそうじゃないんですけど。わかりたい子どもの向上心を殺さず、へそを曲げさせず、いかにして理解させていくか。情緒と一緒に知識を与えねばならないので、教師というのは大変な仕事です。

サナキルヤはsanakirjaと書き、sanaは言葉、kirjaは本を意味します。
それで、辞書。事典。フィンランド語です。
『純白の抒情詩(以下リューリカ)』のサナの名前は、じつはここから来ています。
最初に闇があったのが宇宙科学で、最初に光があったのが神話世界です。
最初に言葉があったのは、キリスト教世界。
『リューリカ』読了の方にはもうおわかりでしょう。
時という原初の存在を内包する娘サナの意味が。
初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は、初めに神と共にあった。万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。
新約聖書『ヨハネによる福音書』より

ほかにいろいろ〈水の髪〉〈海の契約〉とか専門用語っぽいものが並べられますが、エイノがつらつら並べ立てる言葉をいちいち拾うと時間が幾らあっても足りないので。この場の主題ではないものは掘らない主義なのです。いずれわかることですから。
何者かがほどこしたらしい封印を解いて、取り出した書物はそもそも魔術道具で……。
グレイの長所が反対に働いた一瞬です。
これからどうなっちゃうの。
ココでしおりなんてはさめない!
さあ、1-3-5へ。

2019年6月27日木曜日

〈制作秘話第二十回〉1-3-3

ここからしばし、グレイと一緒に観光します。
言語の異なる異国情緒は国内旅行では感じられないものですね。
てかグレイ、まだ旅行気分なのね?
女主人ウルラの「ちび船長が独立の仲間を連れてきた」の台詞、今考えたらちょっとエモい。
大衆浴場の文化は、欧州にも古くからありました。
だから、古いホテルに行くと、シャワールームは後からつけているのがわかりますよ。
ウィーンに滞在したときは、少し割高ですが日本人の女性というウィークポイントから自分を守るためにそういう部屋をとりました。ご主人、英語で話しかけてくれて優しかった。一応ドイツ語は聞いてわかるくらいなので、たどたどしく話しかけたけれど、むりしないでいいよってね。
スパとしてそのまま生き延びてきた湯治の地も結構あります。
フィンランドはサウナですけども、いずれにせよ汗を清水で流します。
saunoaという「サウナに入る」という動詞は、もちろんフィンランド語です。
日本語で言うなら「風呂る」かな。
スパ文化が発展、継続している地域は古くから衛生観念が強いようにみうけられます。
ということで、混浴は、なし。
でもそれは大正解。
ミルちゃんがはっぱかけてきたシーンは「いるの?」と家人に問われた場面ですが、要るでしょうよ! やきもちだぞ!
女の子は勝手にやきもちやいて、勝手にぐるぐるしてしまうものなんですッ!

ハイ、翌日。
しんどい山登りです。
北欧では、日本の山とは違って、つづら折りの散歩ルートがある山が多いです。
そもそもの傾斜も緩やか。黒岳のつもりだったら拍子抜けするかも。
というか、日本の山並みが険しいんですよね、火山性のものがおおく、隆起した山々だから。
それでもずっと坂道を登り続けるのはしんどいものです。
涼しい顔のエイノから〈海の民〉と〈山の民〉とか知らない言葉が出てきますが、まあ、そのうちわかることなので。
彼とミルちゃんが遠慮なく言い合うのにただ挟まれるだけのグレイ、居心地の悪さよ。
二人とも、グレイが気になっているだけなんですけどね。

次は建物の観光。
ロフケシア王立図書館は、立地と外観はベルゲンなんですけど、中身は大英博物館の閲覧室をモデルにしています。ロゼッタストーンのレプリカが置いてあるところです。行きました。高熱出してたけど、行きました。
採光窓のすみっこでもいいからすみたい、大好きな場所です。
イギリスには数々のゴースト・スポッツがありますが、大英博物館もその一つ。
でも、わかるなあ。知と時代が淀んだ居心地の良い場所だもの。
そしてゆらりと姿を消そうとしたミルちゃんを追うと、〈三本の薔薇〉の話がはじまります。
ついでに王族の宝の話も。
エイノが助けて欲しい人が誰かは、ミルだけがわかったのです。
『煌めき屋』でも、彼はそれだけのためにリュスラーナを訪れたわけで。
知的で不器用な男、わたし、嫌いじゃないですよ。
1-3-3、おわり。