2019年5月28日火曜日

〈制作秘話第一回〉くろしし一巻表紙の話

気負わず、しかも連載だ、と言い切った昨日の枕元で、真っ先に考えたのはこれ。
「表紙って本の顔よね」
ということで、くろしし制作秘話の第一回は表紙の話にします。

いろんなラフを出力して、そこからいいのを選ぶ、というよりかは、
最初にロゴとサブタイトル、帯というハコがあることを前提に、
レイアウトから決めていくのが私のスタイルです。
ちゅって、その参考画像はないんですけど。

HDDにあったデータを古→新の順番で並べてみました。
「旅立ち」「主人公」「ヒロイン」「王国」などファンタジーだぞ要素を詰め込んだ一枚。最終的にこれが決定ラフになるのでありますが……。
少年漫画とかゲームとかでよくあるやつ。みんなが大好きでやるやつ。私は描くのが苦手なやつですが、がんばって入れ込んでみました。人の顔ばっかりでどんなお話なのか想像する余地がないので、却下。

たらたららくがきしていたものを流用してみようよ作戦。一巻は船のお話なので、船上のようすなんていいよねって。でもやっぱり話が見えないので却下。表紙から物語は始まっているのです。

コミックスの完全版とかでよくある、キャラ単体のやつ。良くも悪くもない。やっぱり話が見えない。

と、いうわけでこちらが決定ラフ。
自分一人だけでやっているので、デザインの良し悪しについて、目が麻痺してくることも多いのですが、優しい仲良しさんが「こっちのがすき」と「ぱっと見」を教えてくれるので、それを信じたり助けにしたりして、デザインを決めたりしています。
特に一巻の帯(真っ赤な背景に筆文字)で、フレエドムの千鳥スズヤさんから「表紙の雰囲気と離れた戦国っぽさが……」とご指摘いただいたのは覿面に効きました。
それで現行のデザインに変えたんです~。
こうして、みんなのしってる表紙になりましたとさ。
レイアウト解説をすると、視線誘導ラインはこの順。
①サブタイ頭→お尻
②グレイの顔
③「黒獅子物語」
④ミルの顔
⑤ミルの胸(絶対大事
⑥帯
という、ロシヤのイの字(Nのさかさまのやつ)で視線誘導しています。
でも、ちょっとあれね、無理矢理感はいなめない。
これは以降、改善されていくことになります。

デザインは、ユーザブル……見る人にぱっと伝わらないとデザインとしての価値を持たないので、だれかの「ぱっと見」意見はとっても参考になります。

小説の顔となる表紙では「この世界」「この人たち」「どんな物語」というイメージを、絵を見たお客さん自身で膨らませてもらわねばならないので、けっこうデザインパワーが必要になってくると思います。ロゴもね。

ロゴも頑張って作った。
M先輩からも好評で「星はしし座なの?」って聞かれたけど、そうじゃないの。
どっちかっていうと、「くろししものがたり」と音読する時の日本語アクセント音節の向き(さくらんぼみたいなやつですよ。しってます?)を意識して配置してます。
あとはね、漢字の画。
そういわれてみると、そうでしょう?

イラスト制作の順番とかは、そこら辺のお絵かきさんとさほど変わりませんので割愛します。
次回は、執筆に一か月を注ぎ込んだ(無駄遣いした)1-1-1についてお話してみたいです。

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