2016年1月18日月曜日

新曲『銀盤オルゴヲル』公開と制作秘話

こんばんは、ここあです。
世間は雪模様、明日からも寒波の勢いは衰えを知らぬそうですね。

そんな冬にぴったりなお歌を作りました。

『銀盤オルゴヲル』

私の作曲スタイルには三種類あります。

1、言葉と言葉の持つ音楽が一緒に生まれる
2、言葉だけが先に生まれる
3、メロディだけが生まれる

この曲は、1でした。
ただ、作詞したのは2012年の冬。作曲に関してはドのつく素人のときでした。
当時はKE-I君が歌の作曲をしていたので、もしよかったら曲をつけてくれないかな、と思って詩だけをつくって、そのまま放置していたのです。
メロディは一緒に生まれていたのですが、それを曲に仕上げる力は持ち合わせておりませんでした。

なので、まずは言葉で描いた風景について蛇足をつけていきたいと思います。

大学の近くに居を構えていた私ですので、演奏会のためにはいつも隣町に出ねばなりませんでした。移動には節約のために、いつもバスを使っていました。
演奏会に出たり、聴いたり。
その終わりが夜になるのは当たり前のことです。
最終バスに乗って、最寄りのバス停に降り立つ私をいつも迎えてくれる人がいました。
それは、凍える冬の日にも。
彼と二人、アパートに向かって歩く道には、街燈ひとつありません。
車も通らない丘を、凍みついた雪を踏み鳴らしながら進むのです。
私たちを包むのは、深い闇に鎮座する雪と、そこにちりばめられた星々。
果てしなく広がる夜の世界に、きりりと冴えた星座の光が近づいてくる気がします。
両手を広げて、くるりと回れば音楽が鳴りそう……。
そう、夜空は鉄のくさびが打ち込まれたオルゴールの銀盤のようで。
想いを馳せ、天高くを仰ぎ立ち止まった私の手を、彼がとりました。
しっかりと絡めた指を、自分の手ごと、ポケットに突っ込むのです。
かじかんだ指先に、血液と、もうひとつほかに感じるものがありました。
同じ温かさが心に迫る。
そういう静かな夜、静かな一瞬を切り取った歌です。

曲については言うまでもありません。
これは過去のこと。
星の光がはるか遠くからやってきたのと同じ、過ぎ去ったものです。
その記憶を形にとどめておくための作品です。
蛇足つきでもなお、楽しんでいただけたら幸いです。

これも蛇足ですが、要望があれば、DL販売も考えております。

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