吟遊詩人作家の黒井ここあです。
ひらがなみっつで「ここあさん」って呼んでくださいね。
さて、実に半年ぶりのブログ更新です。
その間にもここあは凍結していたわけでなく、創作に泣いたり笑ったりしていました。
なので、軽く振り返る読み物を書こうと思います。
物書きっぽいこともしとかないとね!
それで、なんで投稿してなかったんだっけ。
その理由もよく思いだせ……。
思い出したわ。
関西コミティア65が台風に見舞われて、その爆弾低気圧で私のこころも荒れに荒れ、フォロワーさんに励ましてらいながらなんとかイベントは開催されたもののお片付けのあとに帰れなくて後泊もして。
折角『ティアズマガジンかんさい65』に北海道コミティア参加の記事を書いたのに。
あとはあれだ。
11月に出そうとしていた新刊『探偵王子とシルフィード』の筋、内容が気に食わなくて何度も作り直しをしていて、それに加えていじけモードで過眠して、遅々として進まなくて……。
うん。
色々あったけど、乗り越えたことを書いていきます。
どれどれ。手帳を開いてみましょう。
9月
9月はこみトレのこととか書いてある(ブログ参照)。
あっ。文学フリマ大阪だ!
この回は、コロナ以降……いいえ、私がこれまで参加した文フリ大阪で一番の来場者がありました。
すっごくたくさんの出会いと再会があって、台風の思い出も吹き飛ばすぐらいの幸せを頂いた日でした。
いつも応援くださる方に直接本を手渡せるって、本当に嬉しいです。
読者さんの人生、それぞれの本棚に私の本が刺さっていて、ちょっとたまに思い出してくれたらそれだけで本を作った甲斐があります。
小学生男子に「これ(注:黒獅子物語)絶対面白いやつだ。買わないと!」(早口)って言われた最高の出来事もあったんですよ。
でも悲しいことに、一巻がそのタイミングで売り切れてしまっていて……。
このダンシは名古屋からわざわざ面白い本を探しに家族で来たということで「来週ちょうど名古屋コミティアがあるから来てね」と言ったのです。
それで再会できたかと言うと……。
10月
2日、名古屋コミティア
新幹線に飛び乗るここあ。
なんかすごくいい天気だったことを覚えています。
件のダンシには会えませんでしたが、懐かしい方やまとめ買いの勇者(それも2人!!)に見つけていただくなど、持ち込みの80%が売れるという奇跡のような盛り上がりとなりました。
この日も一般参加者が多くて、そのみんなが真剣に名古屋コミティアで掘り出そうとされていた姿を見ました。何週も何週も見て回られて。
そして、前回の反省を活かし、持ち込み完売後もご希望であれば見本誌を頒布しました。ただ、人の手が触れたものなので申し訳なく、ポストカードなどたくさんサービスさせていただきました。
帰り、帰りね。ちょっとすごいことがあったんです。
行きのときに見かけたサークルさんが、帰るタイミングも同じで、20メートルぐらい距離を保ちながら我々歩いていたんですね。
それで橋を渡り切ったところでサークルさんが家販売のキャッチ二人組に捕まってたんですよ。
ひと気のない道でキャッチかぁ。
と、聞き耳立てて通りすがると、サークルさんは普通に応対している。あとなんか見たことあるアクキーつけてる。
なら、大丈夫かな。
しかしキャッチ、サークルさんをサイドアタックしている。
どう見てもにげられない!
うん。早くうちに帰りたい人を引き留めるのは悪。
私、普通に引き返してサークルさんに声をかけました。
なんて言ったか忘れたけど、とにかく知り合いを装って、サークルさんピッカプ、キャッチグッバイ。
そのまま談笑しつつ、地下鉄ホームにゴーしてサークルさんとは別れました。
そのサークルさんが実はフォロワーさんだったって話!
若者の量子もつれ~。
そんなこんなの最高な気分で伊勢丹を上ってジルスチュアートでコスメ買って帰りましたとさ。
お気に入りのヒレカツ定食食べてさ!
11月
最高の気分でイベントが終わった後にここあを待ち受けていたのはまた地獄だった。
11月頭に入稿しようとしていたはずが、ちっともかけてなくてもうメンタルべろべろ。
面白くない話はテンションがだだ下がりで全く書けないんですよ。
これがさ、なんぼ面白くなくても喜ぶ人が一人でもいると思えれば、まあその方のためのオートクチュールだなと思ってこさえる喜びがあるんですけど。
サークルの新刊となると話は別ですよ。
自分が納得する形、現在の100%ないし200%を目指すものでなければ、未来にも売り物にできないわけですから。
妥協なんか絶対できない。していいことなんか何もない。
そういうことで、新刊は12月のコミケで出すスケジュールに変えました。
変えたじゃん? だいぶ余裕出来たじゃん?
どうなるでしょー。
20日、文学フリマ東京。
この日もすごく忙しかったなぁ、という思いだけが蘇ります。
初めての2館開催で、客足が遠のくんじゃないかと恐れていたんですけど、それは杞憂に終わりました。
逆に人が動けるゆとりができて、島中へ曲がりたい人は曲がれるし、立ち止まりたいところで止まれるようになっていました。
運営さんはこれを予見されていた……かは定かではありませんが、ジャンル配分さえうまくいけば、掘り出したい読者とまだまだ出会えることがわかりました。
フォロワーさんが、コミケで頒布したゼノブレイドのクリアファイルを使ってくださってるのを見て嬉しかったです。日常に連れて行ってくれているなんて。
人並みの途切れた終わり間際に駆け込んで、並木陽さん著、宝塚歌劇となった『斜陽の国のルスダン』の商業版を母用に求めました。サインを頂戴して、宝塚の喫茶店に行きましょう!とお誘いもできて光栄でした。『ルスダン』の文庫版に始まり、お土産でチュルチヘラを頂戴したり、アンナ・コムネナなど歴史書をご紹介いただいたりと、ご縁を繋いでいただいています。
これからも歴史の闇に埋もれた煌めくドラマを掘り出してくださることでしょう。
陰ひなたから応援申し上げます。
27日、COMITIA142。
当該イベントのことを思い出すときは、決まって設営スペースのことを思い出します。
なんでか。
ペーパーの手撒きに関わるからじゃ。
うーん、うーん、思い出した!
あれは西ホールの壁前、本部と入口には近いけど全然人からは見えないっていうへんてこな偽壁だった!
だから声掛けが大変だったんだ!
でもシンカリオンパッパと息子さんが買ってくれたりしたし、なんならツイートで見つけてくださって全部買ってくださった方もいた!続けて出ているからこそ、前回のご縁を握りしめてきてくださる方もいて。
フォロワーさんもご挨拶に来てくださったのに接客で窓口が埋まっていることもしばしば。
読む本をと求めてくださるみなさまに支えられて、次回のイベントに参加することができています。
いつも応援ありがとうございます。
日頃Twitterとかでは自分の調子だけで生きているので、とっつきにくそうに見えていますよね。専門が音楽だとか、趣味の幅が広すぎるとか。自分の部屋もとっちらかってるんですもの、そうなりますわ。開き直っちゃう。
それなのにいつも親切にしてくださって、嬉しいです。
なにか共通の話題っぽいのを見つけた時には、声をかけてくださいね。
もちろん、本の感想も嬉しいです。どこまで読んだとか、しおりが挟んであるお写真だけでもめちゃくちゃ喜びますので!要約紹介などもご遠慮なく。きっとあなたの感動が新しい読者さんとの出会いにつながると思います。
内容にがっつり踏み込んで長文を書きたい方は、メッセージやメールまでどうぞ。
12月
2日、私は飛行機に乗った。三週連続である。
しかし今日の目的地は違う。二時間のフライトで着いたのは、ちーとーせーくーうーこーうー!
ということで、ここあ地元の北海道コミティアに出るため、ちゃっかり実家で猫をこねて晩御飯を食べて札幌にて前泊したのです。
この時期の北海道行きは博打でさ、ほんと雪降らなくてよかったですよ。
足元ぺちゃぺちゃで、溶けた雪が凍って逆に危ないけどね。札幌の道はアイスバーンがきついよね。本州の人靴どうしてるんだろ。千歳空港に靴屋さんあったら絶対売れるのに。ないもんね。
で、3日。北海道コミティア当日。
北海道コミティアは2から参加していることもあり、慣れた空気。
そう、人見知りがすごいのである。
それでも遠慮なくペーパーを撒いていくぅ。
声かけ行為が功を奏したのか、活きの良い方が足を止めてくださる。
寒かったし雪もちらついてたけれど、それでもコロナ以降で一番の入りでした。
カタログ完売してたもんね、たしか。
夏はもっと盛り上がるだろうね。ね、ハム太郎?
(閑話休題。年末のRTA in JAPANのスターター・ハム太郎RTAが最高にほっこりしたのでみなさんもぜひ見てね。YouTubeにあるよ)
そんでさ。
ここからが新刊修羅場なのよ。
あんまり辛すぎて覚えてないんですけど。
毎日内容に対して何文字、みたいな出来事全部書き込むキーボードタイプライターマシンになって、筆がのらなくなるたびにエピソードの精査と変更を加えて。
『シルフィード』って結局14日で書き上げたっぽくて。
なんなら最終章は3日で書いた気がするんです。
できるとやれるとやれたは全部別なので、この最悪スケジュールは絶対に参考になりません。
余裕なんかなかった。
二度とやらねー。
で、まあ最終章なんてあとは展開してきたリボンをすべて結ぶだけの楽しい段階なわけなんですけど。それでも日数が間に合う予感がしなかったので、印刷所の特急使おうって思いついたんです。
電話したんです。
「ホームページの会員ページから予約してください」
OK。
ログイン。
入力。350p、200部。
「受注限度を超えているので受付できません」
できません? なんで?
どうやら、ページがめちゃくちゃあること、部数も割と多いことで弾かれちゃったみたいです。
40ページの薄い本が100部なら行けたんだろうなって思います。知らんけど。
ということでここあさんは腹をくくってパトロンに言いました。
「通常〆切でいきやす……」
「へい」
そんなこんなで、通常〆切に間に合って、二度とやるかシリーズ第〇弾、現場でカバー巻きをコミケで実施しつつ、新刊は無事コミケに間に合いましたとさ! めでたしめでたし! って、まだ売ってない!
30日。
飛行機ばびゅーん。
前日は、家人と東京観光をしました。
今回は我が家のブーム、ペンギンコース。
池袋サンシャイン水族館でマゼランさんを見て、買ってきました。
田舎の動物園しか知らなかったんですけど、都会の水族館は狭くて人工音がいっぱいして、動物の常同行動が著しかったです。
それでとても息苦しかった。
沈鬱な気分で入ったカフェ、隣の席では旅行が趣味の大学生がこの間行ったという場所の写真を見せ合っていました。観光地の座標を攻略してインスタに上げるのが趣味みたい。色んな趣味があるね。
夜は、仲良くしてくださる先輩ムッチーさんと三人でカレーに。
家人とムッチーさんはZOIDS繋がりがあるので大丈夫。
ムッチーさん新刊『爆散40Kコマンダーレイジ5巻』もいただけたよ!
毎回、ウォーハンマー素人代表として口出したり、同業者として表紙のレイアウト打ち合わせをしたりする仲です。
奇しくも私とムッチーさん、同時期に筆が止まってうんうん唸っていたんですけど、お互い新刊が出て、それを喜んでくれるファンがいてくれて、本当によかったね!
インドカレーも美味しかったし、積もる話もしたし、最高の打ち上げでした。
うちらまだイベント終わってないけど。
31日、コミケ二日目。
文芸のエンド(※商品棚のかどっこ、とてもよく目立つところのことだよ!)ともいえる壁前の誕生日席で、私たちはカバー巻を始めた……。
一時間後、そこには設営完了した黒井吟遊堂の姿が!
わざわざ新刊を狙って来ていただいて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
やっぱりコミケは搬入どっかーんすると見た目で喜んでもらえますね!
だって新刊は40冊積んだもん。
ラブライブスーパースター本(略してすみれ本)も、サンシャイン池崎さんも両方好きという方が一発で買って行ってくれたのもよかった。自分と同じ層に突き刺してやったぜ。
Liella!色紙もゼノブレイドクリアファイルもすごくいい出来だったんですけど、ジャンルと設営の見た目上「文芸だ!」と思われて気づかれなかったみたいです。そうなるよね。
いいの、本読んでほしかったから、本を買ってもらえるのが一番嬉しい!
お隣のサークルさん(北西彩さん)も又隣のサークルさん(姫月彩良さん)も日頃からお付き合いさせていただいている方で、このエンドまじ最強ホームって感じでめちゃくちゃ居心地のよいコミケでした。
なんてったって、寒くなかったしね!
お友だちと言えば、コミケではアイマス島にいるサークル・フレエドムさんにおやつを渡しに行ったらすれ違いまして。
片割れ・葵あおさんからの「オレンジのドンパッチが行きました」というヒントを頼りにすこしエリアを漂っていたら、みごとオレンジのヤツこと千鳥スズヤさんをキャッチすることができました。
道端でおやつ交換するやつ~~。
いただいた袋が「喫茶鳩時計」で、サブアカウントのHNをこすられたのが一瞬でわかってにこにこしました。あけたらコースターも!おうちに飾っています。ありがとうございました。
その夜、身軽になって帰ったホテルで、我々はケンタッキーをむさぼり、これをおせちとしたのでした。
甘いのしょっぱいの、深夜に食べるケンタッキーとビスケット最高~!
良い年だったな!!
1月1日。
「あけましておめでとう!」と父から猫写真メールを受信したり、嬉しいイラストのご依頼を頂いたり、タブレット用ペン芯福袋戦争に参戦しながら私たちはスカイツリーに到着した。
目的はもちろんペンギン。
そう、この日はすみだ水族館を見に来たのです。
ていうか、元旦なのに人多いね?
北海道では年末年始は寒くて雪が深いので外になんか出ませんよ?
イオンが侵略してきてはじめて福袋を1日に買う文化が輸入されたぐらいにして。
初詣なんか無理無理。
雪かきが優先。
ってお上りは思いながらスカイツリーにやってきたわけ。
午前中だからか、人はいれども混んではいない。
ゆったりと太洋の動くように観察ができました。
小笠原の海は素晴らしくて、同時にスポンサーさんの財力も見せつけられた思いです。
そして、複雑なペンギン関係、相関図で有名なすみペンたちのきままな暮らしもよかった。
分厚いアクリル板越しにこっちが観察されるという、深淵VS深淵をしばらーく繰り広げました。
カフェでドーナツも堪能。
ついでに待ってたらペンギンご飯タイムも見れました。
あそこに暮らしたいぐらい、とてもよいところでした。
するっと入って、するっと色々見て、お土産にぬいぐるみさんを買うか買うまいか家人がめちゃくちゃ悩んで、結局買ってほこほこで出たときには、待機列ができていました。
それを縫って出て、最終荷造りをして、カービィカフェストアを覗いて、空港にゴー。
年越しで食べなかった分のおそばをいただいてから、飛び立ったのでした。
ああたのしかった、冬のコミケ。
後半へ続く!
追記
12月真ん中ごろの空白の記憶から、イラスト仕事が浮かび上がってきました。
あれも作業を詰めてたからしっかり辛い部分として忘れていました……ごめん。
サークル『エレファントパオーン』さん関連のこぼれ話は別にまとめます。