2019年5月17日金曜日

春の東京遠征、ありがとうございました。

こんにちは。
こんばんはのお時間でも随分と明るくなりましたね。
黒井ここあでございます。
原稿を理由にしてしばらく書かずにいたせいで、
ブログでのノリってどうだったかすっかり忘れちゃいました。
なんかキャラを作ってたような、そうじゃないような。
イベントでこんにちはするときのあの感じで書けたらいいなあ。

☆黒獅子物語の三巻が出ました☆

出ました。出せました。
方々に弱音を吐き散らかしながら書き上げました。
学習能力が足りていないの、もろばれ。
きっとブログにまで来て下さったあなたは、裏話とか聞きたいんですよね。
実は、そういうのをお話しするのって苦手で。
裏も表もお話っていうものは全部作品に詰め込んであるので、
「この裏ではね」みたいな隠し土管はないんです。
強いて言えば、本来予定していた表紙絵をばっさり棄てて、現行のを採用した、ぐらいかしら。そんなもんです。

でも、何があったかなぁ。
泣いたスケジュールについて懺悔するぐらいかなぁ。
着手はいつもより早かったんですよね。
12月と1月とで、ずっとこまプロットをいじっていたんです。
一週間で書けるかなぁと思いきや、そんなうまくはいかじ。
カレンダーには、1月30日、3-1-1と書いてあります。
でもここからが長くて、必要な情報が必要なだけ出せているか、
文章が変じゃないか、ずうっともちゃもちゃとこの辺りの数話をいじっていて
結局3-1が終わったのは3月の頭だったわけです。
あとはずっと、「間に合わない、この調子で書いてたら間に合わない」って
泣き言を言いながら毎日お料理と執筆をしていた想い出しかありません。
鹿島もちょうどオフシーズンだったし、気持ちの持って行き方では
家人にかなり頼ってしまいました。
強い気持ち、ホント大事。

☆東京日帰り×2☆

文学フリマ東京とCOMITIAは、ブッキングしちゃいがちな悲しい関係があります。
2019年春は別日程になったのが、ちょっとした奇跡にも感じるくらいです。
一年に一回は顔を出しておきたい、忘れられないでいたい。
そういうわけで、文学フリマ東京とCOMITIAの両日を日帰りで決行しました。
どちらも、ゆるっと繋がっているメイドスキー戦隊の仲間に支えられながら、
楽しい気分で終えることができました。ありがとうございました。
もちろん、ご来場くださった方、本をお持ち帰りいただいた方のお陰でもあります。
分厚くて高い本なのに。ご愛顧くださり、本当に嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。

飛行機でとんぼ返りした両日程ですが、宿泊費を思うとこれがいいのかな。
ちょっとがんばればみんなでご飯も食べられるし。
みんなのご協力の上で、だけど……。

☆メイドスキー戦隊と新メンバー☆

COMITIA128をちょっと早めに切り上げて向かったヴィーナスフォート。
そこではまっぴるまのサバトが行われました。withパンケーキ。
女子会っぽいでしょう!
パンケーキが焼けるまでのあいだは、メンバー持ちよりのカードゲームで楽しみました。

※メイドスキー戦隊とは
「メイドさんが好き」の一点とかでゆるっと繋がっているサークル的なもの。
毎年一冊、たのしいメイドさんのアンソロジーを出しているよ。

新メンバーも加わり、メイドアンソロ3(仮)の〆切も確定。
メイドアンソロ3では、「手癖封印☆不得意チャレンジ」を予定しています。
自分の得手不得手、だれしもあると思います。
メイドスキー戦隊は長所のベクトルがバラバラなメンツで、
それがアンソロを個性豊かにしているわけですが、
ほら、たまにはイタリアン食べたいじゃん?
というノリで、手癖を封印してみよう、ということになりました。
それぞれが「普段やらないこと」に挑戦するのも、面白いじゃないですか。
幅、ひろげていきまっしょい。
秋も忙しいわよ~~!

と、いうのが、2019年春の東京遠征でございました。
次は関西だ!


追記

東京で関西人にばっかり出会います。
関西コミティアにも来てね!よろしくです!

2019年1月17日木曜日

第二巻、あとがきにかえて

2018年11月25日のCOMITIA126から、新刊『黒獅子物語』第二巻の行商を続けてきました。
年もまたいだ1月20日関西コミティア54で、それも一区切りです。
大切な人の手元に行き渡ったころだとふんで、
理由を挟んで、あとがきのようなものを書きたいと思います。

~~あとがきを本誌に載せない理由~~

これはたったひとつ、「あとがきを読まれないため」です。
同人誌即売会にて展示した際、どんなに作り込んでいても
いろんな人があとがきから読むのです。嬉しくない。
これすなわち、手品のタネをさきに見に行くようなものではありませんか。
冒頭に血のにじむような努力をしているのがすべて無駄になりかねません。
なので、蛇足たるあとがきを本誌から撤廃しました。以上

あとがきのようなもの

 この度は『〈黒獅子物語2〉清らなる神子姫』をお求めいただき、誠にありがとうございます。グレイの冒険が始まった第一巻は、爽やかなはつらつとしたボーイミーツガールでしたから、この二巻の展開と引きには驚かれたことと思います。はらはらする気持ちを、そのまま第三巻の期待としてお持ちいただけたら嬉しいです。
 旧版のことを引き合いに出せないほど、すべてが新しくなっているなかで、とりわけリンデン伯爵の人物像を大切にしました。
 悪が悪に見えぬほどの温厚な人柄や信頼の厚さなど、政治手腕に優れた人間でありますが、人間的には見通しのきかない部分の多い、食えぬ男。味方となれば心強く、敵ならば難攻不落。愛の対極に位置するであろう、とても難しい男です。しかしその実、血を分けた息子アレクセイを溺愛してもいます。早世した妻を愛していたかは不明ですが、血縁者には並々ならぬ思いを抱いているようです。リンデン伯爵がいかにして魔術を手に入れたかは、きっとそのうちさらりとどこかに挟まった一文で明らかになることでしょう。そういうこと、多いです。たった一言に秘密のすべて、謎の答えが詰まっていたりします。目を皿にして読み返してみてくださいね。
 さて、ここからはお待ちかね、音楽の話です。
 第二巻には、たくさんのリュート歌曲があらわれますが、たったひとつ――ファリーがルヴァとリシュナをテーマに作った『清らなる神子姫』を除くすべての楽曲が実在しているものです。
 十六世紀にダウランドにより作曲されたもので、著作権は大丈夫。
 歌詞(=英語です)はすべて私が翻訳してありますから、そこんところも大丈夫。
 押韻も残し、単語そのものの意味する韻も踏んだこだわりの訳ですが、掘り下げると英語の授業になるのでやめておきます。そういうのは人にきいたってつまらないし、なにより、自分で調べがつくはずですからね。
 では、安心しながら、楽曲を聞いてみてくださいね。
※ページ数は二巻に対応しています。

28p あなたは見たか、白百合輝き咲くところ
Have you seen, the bright lily grow
https://www.youtube.com/watch?v=SeITdXplKF4
(bright がwhiteになってますが、些細なこと、楽譜の版違いと思われます。
それよりも、彼のビロードのように滑らかなカウンターテナーと
自由闊達な超絶技巧をお楽しみください)

298p 戻っておいで!
Come again
https://www.youtube.com/watch?v=Qgr65P-rr_4
(ダウランドのリュート歌曲は女性向けの音域に設定されている中、
若々しいハイバリトンの演奏になります。
もしも夜に窓辺で歌われたらたちまち心を奪われてしまうような
実直でスイートな喉の持ち主ですね)

 そういえばいろいろと音楽が鳴っているシーンがあったことを思い出したのですが、民衆の音楽はだいたいがルネッサンス音楽だとおもっていただけたら、すぐにイメージがつくと思います。宮廷舞曲については、フランス風でもスペイン風でも、いずれも典雅で素敵ですけれども、足譜を考えるとフランス風のほうがやさしいかもしれません。このフランス風楽曲にあわせて踊るダンスのことをバロックバレエと呼ぶのですが、現代に「バレエ」と呼ばれているものとは全くの別物であることを留意しておいてくださいね。今、われわれが「バレエ」と呼んでいるものは「バレエ・リュス(ロシアバレエ団)」が公演してまわった新しいものなのですから。
 毎度好評の食事シーンですが、大概がご自宅で作っていただけるイージーなレシピばかりですから、どうぞ作ってみてください。ポイントはクロスグリやコケモモのソース……そう甘酸っぱいアレと、味がするんだかしないんだか、でもないと絶対にものたりないブラウンソースです。日本人はあんまり好きじゃないみたいですが、大陸のDNAなのか、酸っぱい食べ物やこっくりした味わいの食べ物があちらではよく食べられます。私は大好きです。
 さて、いろいろと蛇足がにょきにょきと伸びました。
 しっかりと精緻に整えた物語の中に、こんなふうに私情にまみれたものなんて挟みたくないのが、お判りいただけたと思います。作者近況なんてもってのほかです。誰も私本人には興味がないはずですからね。